Facebookの個人情報取扱いに疑問の声。「創設以来最大の間違い。本当に申し訳ない」ザッカーバーグ氏。

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thehackernews.com

過去2日間にFacebookの市場価値が600億ドル以上下落した。

この額はテスラ・モーターズ時価総額以上で、Snapchatの3倍近い。

ここまで甚大な時価総額の下落をもたらしたのは、英国のデータ分析会社「ケンブリッジ・アナリティカ(Cambridge Analytica)」がFacebookから取得したデータの使用方法に関わる。

同社は、ドナルド・トランプ氏が2016年に米国大統領に就任する手助けをしたデータ分析を専門とする企業だ。

事件の発端は、同社の社員であるクリス・ワイリー(Chris Wylie)が、Facebookが人々の個人情報をどのように扱っているかを新聞へ行なったリークである。

ワイリー氏は、ケンブリッジ大学の学者として働いていた28歳のデータ科学者だ。

Wylieはケンブリッジアナリティカが様々な情報源から収集した個人情報に基づいて市民の投票パターンを予測し、政党がカスタマイズした広告やメッセージで投票者をターゲットにするのを助ける「Steve Bannonの心理誘導ツール」を作成したと供述。(訳注:原文では”Steve Bannon's psychological warfare mindf**k tool”という名前で表記されている)

先週から多くのことが起こっているので、これまでに「FacebookとCambridge Analytica」の間で何が起こったのか、どう進展したか説明するために記事をまとめた。

 

ケンブリッジアナリストが50万人のFacebookユーザーのデータを収集する仕組み

4年前、ケンブリッジ大学の心理学者Aleksandr Kogan氏が、研究者Michal Kosinskiにアプローチした。

Kogan氏の狙いは、Facebookのユーザーデータを入手する為に、Kosinski氏と共同で簡単なオンラインパーソナリティクイズアプリを作成。

ユーザーはクイズに解答するためにはFacebookにログインして参加する必要がある。

Kosinski氏は自分のアプリが収集したデータを提供することを拒否したが、ケンブリッジ大学はKogan氏に80万ドル以上を支払って同様のクイズアプリを作成し、Facebookのユーザーのプロフィールデータを収集し続けたようだ。

この時Kogan氏が作成したクイズアプリ「thisisyourdigitallyife」は多くのユーザーに利用されたクイズアプリとなった。

27万人のFacebookユーザーが参加することになったにもかかわらず、FacebookAPIは当時、アプリを利用したユーザーの友人に関する情報までも収集していたのだ。

Facebookユーザーは、友達リストに平均何百人もの友人がいるので、Kogan氏は27,000人のユーザーベースを活用して、約5,000万人のFacebookユーザーのデータを収集したのだった。

今すぐFacebookデータを使用してサードパーティのアプリケーションを停止しよう

Cambridge Analyticaのクイズアプリだけでなく、Facebookのタイムラインでは他にも何千ものアプリが存在する。

たとえば以下の様なものだ。

  • 80歳になった時にどんな顔してるかチェック
  • 似ている有名人は誰かチェック
  • 今年のバレンタインの相手は誰かチェック

Facebookのすべてのアプリは、自分のFacebookアカウントを使ってアクセスし、自分の名前、場所、メールアドレス、友人リストなど、Facebookのプロフィールからさまざまな情報をアプリの開発者に与えるようユーザーの許可を求める。

この他にも、何十万ものウェブサイトで「Facebookでログイン」オプションがある。

そのオプションは、サイト管理者がワンクリックログイン/サインアップを提供してあなたの身元を簡単に確認できるようにする。

つまり、クイズアプリと同じように機能するのだ。

Facebookのデータにアクセスする許可を与えたサードパーティのアプリケーションを再訪し、データを使用したくない場合は完全に取り消すことなく、アプリのパーミッションを制限できる。

アプリのデータへのアクセスを無効にする手順

デスクトップコンピュータの右上隅にある下向き矢印をクリックし、メニューから[設定(Settings)]を選択。

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次に、左メニューの中から、[アプリ]を選択する。

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Facebookにログインしているすべてのアプリが表示される。

モバイルデバイスでは、メニューを開き(iOSは右下、Androidは右上)、[設定]→[アカウント設定]→[アプリ]→[Facebookでログイン]を選択する。

画像はiOS端末で操作している。

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十字アイコンの横にある編集ボタン(鉛筆アイコン)をクリックして各アプリの設定を表示することで、アプリの権限を制限出来る。

ここから、各データポイントの横にあるチェックマークの選択を解除して、特定の権限を取り消せる。

Facebook創設者Mark Zuckerberg、ケンブリッジアナリストのスキャンダルについて謝罪

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CNNのLaurie Segallとのインタビューで、Facebookの創設者Mark Zuckerbergは、ユーザーのプライバシーを守らなかったことについて謝罪。

Zuckerberg氏は、Laurieに対して以下のように語った。

「これは重大な信頼の侵害であり、このような自体が発生したのは残念な事である。」

Zuckerberg氏は、ケンブリッジ・アナリティカのスキャンダルに対処しながら、サードパーティの開発者がユーザーのデータにアクセスできるような仕様になっていたのは、大きな間違いであった事を認めた。

更にZuckerberg氏は、以下のようにコメントしている。

"今までで犯した間違いの中で、最大の間違い"

Zuckerberg氏は、「すべての問題を解決し、FacebookAPIの乱用を防ぐために、同社が2014年以降どのようにポリシーを変更したのかを説明しつつ、今後はユーザーのプライバシーを保護する」ことを、世界中の顧客と株主を保証に対して約束した。

インタビューの最後に、Zuckerberg氏は、「(Facebook)プラットフォームの完全なフォレンジック監査を実施して、第三者のアプリが完全な同意なしにユーザーデータにアクセスし、データが不適切に使用されたと見られるすべてのユーザーに通知する」と述べた。

ザッカーバーグ氏「技術企業を規制する時」

一部の専門家は、ソーシャルメディア企業に対する消費者のプライバシーを保護するために、より厳しい政府規制が必要と考えている。

Zuckerberg氏もこの意見に同調し、ユーザーの個人情報を取り扱うテクノロジー企業に対して多くの規制を課すべきだと考える。

また、増加し続ける20億人ものユーザー・コミュニティを効果的に統制するためのツールとして、「人工知能」を推奨しているようだ。

Facebookは、本年末までに、セキュリティとプライバシーの運用を厳密に監視するために、新たに2万人以上の従業員を雇うとされている。

Facebookは個人情報の利用に関する国際調査に直面

ケンブリッジ・アナリティカに関するリークの後、世界各国の政府がFacebok社に対して厳しい目を向けている。

具体的に言えば、アメリカ、EU、英国、イスラエル、インド、カナダ等の国である。

以下に、各国政府のFacebook社に対する調査をまとめる。

アメリカ

米国連邦取引委員会(FTC)は、Cambridge Analyticaによって5,000万人以上のユーザーの個人情報の使用が、Facebookが2011年に代理店に署名した同意判決に違反しているかどうかを調査し始めている。

EU

欧州委員会は、データ保護当局にFacebookのデータ漏洩をCambridge Analyticaに調査するよう依頼。

同委員会がデータ保護法に違反すると判断すれば、同社に罰金を課す可能性がある。

イギリス

イギリス政府は、欧州委員会の調査とは別に、ケンブリッジアナリティカによってFacebookユーザーのデータが削除されたかどうかを調べるために、現地調査を令状をFacebook社に突きつけた。

イスラエル

イスラエル司法省はFacebookに対して「行政捜査」を行なった。

イスラエル人の個人情報の追加違反の可能性がある事をFacebookに勧告。

 

Cambridge Analytica CEOの極秘音声が公開

ケンブリッジ・アナリティカは、同企業の取締役を解任した。

ビデオが放映されたため、政界の選挙を動揺させる賄賂や売春婦の使用についても議論を進めているようだ。

取締役会の見解では、Nix氏の最近のコメントはチャンネル4で秘密裏に記録されているが、その他の主張は、彼の停止は、我々がこの違反行為を見る深刻さを反映している」と語った。

ちなみに、Nix氏は、ロンドンのチャンネル4ニュース(The Channel 4 News)が公開したビデオで、相手が賄賂を提供している捜査官のビデオを録画するなど、政治家のために汚い犯罪に取り組んでいることを明らかにしたのだ。

また、Nix氏は、潜在的スリランカのクライアントと位置づけられたジャーナリストにも、彼の会社が候補者の居場所に「いくつかの女の子を周りに」送って候補者を妥協させる事もできるとビデオの中で語っている。

しかし、ケンブリッジ・アナリティカはビデオの中でNix氏が述べたような戦術に関与したことを否定。

ケンブリッジ・アナリティカを発端とした今回の事件は、Facebookだけでなく、生活のためのユーザーデータを販売する他のすべてのオンライン会社にとっても大きな意味を持つ事件である。

なお、Facebookの株式は、この執筆時点で、2.66%低下して164.89ドルになったようだ。

(This article is a Japanese translation of "Facebook and Cambridge Analytica – What's Happened So Far" at The Hacker News.)