「マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法(by ちきりん)」を読んだら、私の現況と目標を省みるいい機会になった。
ちきりんさんの『「マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法』という本を読んだ。
感想を1言にすると、「本書を通読して、自分の状況を省みる良い機会になった。」
同書の内容については本書を買って読めばいいし、恐らく他のブログでも多くの人が文章を引用しながらレビュー(というかコメント)していると思う。
そこで、この記事では、私が本書を読みながら頭に浮かんだ事、そうした項目について一歩踏み込んで考えた事を綴っていく事にする。
本書を手に取った背景
最近、大学院進学のためにサイバー戦争に関する書籍を読む機会が多かった。
当ブログでも2冊、「第五の戦場」サイバー戦の脅威や、サイバーインテリジェンスなどブックレビュー記事を書いた。
「全く研究分野に関係のない小説でも読もうか」と思って、なんとなくブックオフに入ってみたら、単行本半額セールの棚に本書が置いてあった。
ちきりんさんは結構前からTwitterでフォローしていて、ちきりんさんのブログ記事も少なからず読んでいたし、ちきりんさんの「中の人(らしき人)」が書いた本も過去に読んだ事があった。
なので、「この本が480円なんだ・・・!お買い得!」と思って手に取った。
本書を通読しながら考えた事
私が受け取ったメッセージ
題名からもある通り、読者にマーケット感覚を身に着ける事を一貫して促している。
ざっくり言えば、以下の様なメッセージを受け取った。
- これまで価値があると思っていた事が急速に価値がなくなり、反対にこれまで無価値と思われていた事に価値が生まれる
- 「論理的思考」だけじゃ捉えきれない価値があり、自分のアタマを使って想像力を働かせ「モノやコトの価値」を見出そう。
このブログの価値について考えた
会社という組織に属する傍ら、自分自身をマーケットに晒して市場からフィードバックを得る手段として私はブログとTwitterを使っている。
このセクションでは、当ブログがアプローチする問題と、提供する価値に関して考えていく。
当ブログがアプローチする問題とは
ブログを起ち上げる前には、以下の問題意識があった。
- 「英語で書かれたリソースが多く、それらを直接自分で読んだ方が効率が良い」
- 「翻訳のクオリティが低くて内容が全く頭に入ってこない」
- 「ニュースが翻訳されるまでのスピードが遅くて実務に活きない」
- 現場で働くセキュリティプロフェッショナルは非常に忙しく、辞書を引きながら英語ニュースを読んでる時間はない。
当ブログが提供する価値とは
これら問題に対して私が何が出来るのか考えた時に、以下の事を思った。
- 日本語メディアの「どこよりも早く」セキュリティニュースを「分りやすく」翻訳するメディアがあれば、何らかの価値があるはずだ
- 悲しいかな、日系企業の職場で全く活かされない私の英語力は、自分がメディアを作って事で活かせばいい
そうした背景から、私は当ブログ「忙しい人のためのサイバーセキュリティニュース」を2017年10月頃に起ち上げた。
それ以来、海外セキュリティニュースの要約・翻訳をしつつ、自分の意見を記事の中に自然に織り交ぜて情報発信している。
実際にセキュリティの現場で働く人達もTwitterでフォローしてくれたり、ブログを読んで仕事の役に立つ事がある旨をコメント、TwitterでのDMやリプで伝えてくれる。
今後私が目指すこと
「どっちもやればいい」
ちきりんさんは本書の中で学校で学ぶよりも、マーケットに身を置いてフィードバックを得ながら学んだ方が効率が良いと言っているが、自分は「どっちもやれば良い」と思っている。
更に、自分の目標として掲げるリサーチャーとしての仕事はもとより、海外移住する際のビザ取得の為には、(無論、今後変わっていく事を願いつつも)現状では修士、更には博士といった称号があれば移住ビザ取得が有利になる事が多い。
したがって私は、ちきりんさんの言葉でいう「マーケット感覚」を、このブログやブログを通して繋がるセキュリティプロフェッショナルとのやり取りを通して培っていきたい。
その傍ら、アメリカの大学院に進学したいと思っている。
(「アメリカの大学院進学という目標」へのアプローチに関しては水面下で着々と進めているので、一段落したら情報共有の意味で記事にする。)
「研究者バックグラウンドのエントレプレナー」は1つの目標
プロフィールでも書いているが、セキュリティ分野におけるリサーチャー(研究者)になりたいと思っている。
この分野で活躍しているセキュリティリサーチャーは沢山いるのだが、目標の1つはGary McGrawだ。
GaryのPodCast「Silver Bullet Podcast」で、「セキュリティ業界には現場で頑張っている人は沢山いるが、もう少しアカデミックなアプローチを取る研究者もいていいと思う」という1言で「俺にはこの道だ!」と直感した。ただそれだけだ。
Gary凄いところは、Computer Scienceで博士号を取った後、アカデミアに留まらずにセキュリティコンサルタントとして数多くのIT企業のセキュリティ診断&コンサルをしてきた事。
アカデミアで研究される事をマーケットに対して貢献し、市場のフィードバックを受け、更に研究に活かしていくサイクルを築きあげたいと思っている。