Cybersecurity Tech Accord(サイバーセキュリティ・テック合意)全文翻訳版
Cybersecurity Tech Accord(サイバーセキュリティ・テック合意)は、インターネット市民の保護・エンパワーメントを行い、サイバー空間におけるセキュリティ、安定性、レジリエンスを向上させる目的を持つ34のグローバル企業の間で行われた合意です。
あらゆるユーザーと顧客の保護
オンライン世界は、グローバル社会にとって不可欠なものとなり、公共インフラだけでなく私達の生活のあらゆる場面で重要なものとなりました。
将来的にも、新しいオンライン技術が創出され、教育現場や医療現場の改善、農業、ビジネスの成長、雇用の創出、環境の持続可能性への取り組みに至るまで、現代社会における様々な重要課題にアプローチしていくでしょう。
しかし、近年発生した数々の事件がオンラインセキュリティを危険にさらしています。
犯罪から地政学的なモチベーションに突き動かされた、悪意ある攻撃者達は、経済的損害を与えたり人命を危険にさらす等の行為によって、オープンで自由かつ安全なインターネットの信頼を損なっています。
そのようなデータ、プロダクト、サービス、及びネットワークの可用性、機密性、完全性を損なう攻撃に対して、我々はこれまでの姿勢を改め、手を取り、継続的に警戒し、サイバーセキュリティに対する新たな取り組みを始めなければなりません。
オンライン環境を保護することは、誰にとっても重要なことです。
したがって我々は、オンライン技術を開発し運用する企業として、オンライン技術がもたらす社会的利益を守り、成長させていくことを約束します。
さらに、我々は責任を持ってユーザーと顧客の保護と、エンパワーメントに取り組み、サイバース空間におけるセキュリティ、安定性、およびレジリエンスを向上させることを約束します。
これらの目的を達成するために、我々は以下の協定を採択しました。
1. あらゆるユーザーと顧客の保護
- 我々は、個人、組織、政府関係者が行うサイバー攻撃から、すべてのユーザーと顧客を保護するよう努めます。それは犯罪目的や地政学的動機、更に攻撃者のバックグラウンド等を起因とした攻撃であっても関係ありません。
- 我々は、セキュリティ、プライバシー、完全性、信頼性の向上を最重要視して製品とサービスの設計、開発、提供します。それと同時に、我々の製品やサービスにおける脆弱性の発生頻度、影響度、悪用可能性を減らします。
2. 無実のユーザーや企業に対するあらゆるサイバー攻撃への反対
- 我々は、プロダクトやサービスの開発、設計、配布、使用のあらゆるプロセスにおける改ざん、データのエクスプロイトからユーザーを保護します。
- 我々は、政府が無実のユーザーや企業に対してサイバー攻撃を引き起こす際の幇助を致しません。
3. ユーザー、顧客および開発者のサイバーセキュリティ保護・強化を奨励
- 我々は、ユーザー、顧客、及びより広い開発者のエコシステムに対して、現在や将来に起こる脅威の理解を促し、脅威から身を守るための適切な情報とツールを提供します。
- 私たちは、サイバー空間における安全保障を推進し、先進国や新興国におけるサイバーセキュリティ能力を構築しようとする市民社会、政府、国際機関のサポートを行います。
4. サイバーセキュリティを強化する為に互いに協力する
- 我々は、相互に協力し合い、技術協力、脆弱性情報の公開、脅威の共有を改善するために、エンタープライズやオープンソースに関わらず、あらゆる業界、市民社会、セキュリティ研究者と公式、又は非公式にパートナーシップを築きます。その目的は、技術協力を促進し、脆弱性情報の公開と脅威情報の共有を促し、サイバー空間で悪意のあるコードを減らす為に行われます。
- 我々は、サイバー攻撃の特定、防止、検出、対応、復旧のために、世界規模で情報共有と民間の取り組みを促進し、グローバル規模のテクノロジーエコシステムにおけるセキュリティを高めるために柔軟な対応を行います。
この技術協定の実施を通じて、有意義なパートナーシップが確立されるように、我々は、この協定をさらに推進するための活動を続けていきます。また、この取組みにおける進捗状況について公表を行います。
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