【日刊】忙しい人のためのセキュリティニュース(2017/09/23) iPhoneX顔認証(FaceID)のセキュリティあれこれ / シリア人青年がビットコインで新たな経済圏を作り出す

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こんにちは。いちです。

週末はいかがでしたしょうか。私の住んでいる東京では秋晴れで、優しくてうららかな陽気を感じた日曜日でした。

コーヒーとドーナツを食べにミスドに入ったのですが、店内の装飾がハロウィン仕様になっていて、売られているドーナツのテイストもかぼちゃ風味や栗風味とあって、食欲の秋が本格的に始まりました。

セキュリティ業界では週末という事もあってそこまで大きなニュースはないようです。(サイバー攻撃というのは、金曜日の夕方17時に発生するものなので、まだ記事にされていないだけかもしれませんが笑)

なので、毎日マルウェア脆弱性のニュースを取り上げていますが、今週末はそこまで脆弱性に関するニュースがありませんでした。

ですので今日は脆弱性以外のセキュリティニュースに目を通してみました。

今日取り上げるニュースは以下の二つです。

 

 

  • iPhoneX顔認証(FaceID)のセキュリティあれこれ

 

 

 

 

それでは参りましょう!

1. How Apple Will Stop Companies Abusing Facial Recognition on New iPhone X

http://fortune.com/2017/09/23/face-id-privacy-iphone-x/

先日AppleのフラッグシップモデルとなるiPhoneXが発表された。

2017年にSteveJobsによって始めてiPhoneが発表されて以来、毎年9月にアップデートされ、その度に新機能を搭載してきたiPhoneだが、今回はOLED液晶画面、ワイヤレス充電、FaceIDが目新しい機能といえるだろう。

iPhoneXの発表に合わせて紹介されたiOS11も、iOS10で発見された8個の脆弱性を全てパッチ当てした事もあり、Appleのセキュリティに対する意識の強さが伺える。

そのことから、FaceIDの安全性はどれ程のものか、Appleファンの間でも関心が集まっている。

既にSamsungスマホに搭載されている顔認証機能だと、携帯の持ち主の写真のみで携帯がアンロックされてしまう程のセキュリティの甘さだった。

Twitterを見ていると、「果たしてAppleは顔認証のセキュリティをどのように向上させるのか?」というのが、iPhoneXの発売を待ち遠しく思っている人達が思っている事のように私は感じている。

報道によると、Samsungに搭載された顔認証みたいに携帯の持ち主の写真でアンロックできる程の陳腐な技術を使っていないという事だ。

iPhoneXに搭載されるFace IDは、顔認証をする時に、フロントカメラの’TrueDepth’という設定を使って3万ものドットを持ち主の顔画像に照射し、一瞬でカメラの被写体となる物体が持ち主の顔であるか否かを判断するという。

またセキュリティ界隈では「Face IDでスキャンされた顔のデータを収集してAppleは一体何をする気なのか」といった声もあがった。

そのような声に対して、Appleは正式に「Face IDで認証する顔データはAppleに送信される事は無く、iPhoneXの中に留まる」と解答している。

つまりiPhoneXのユーザーは、FaceIDに自分の顔を登録した際のデータはオフラインで保存されるということになる。

言い換えれば、Appleはユーザーの顔データを収集している事もないし、Appleのサーバーに顔データが送信される電波を傍受されて顔データが第三者の手に渡る事もなくなるという事だ。

2. This Hacker Wants To Create A Bitcoin Economy In Syria

http://www.ibtimes.com/hacker-wants-create-bitcoin-economy-syria-2593142

イギリス系シリア人の青年・Amir Taaki氏が、ビットコインで新たな経済圏を創り上げようとしている。

Taaki氏は、ビットコインの力を大きく信じている。

彼のビットコインへの信頼は、ダークウェブに社会では違法とされている商品を扱うマーケットを構築し、やり取りされる通貨をビットコインに限定する程だ。

そして彼はまた、ビットコインを使って新たな事をしようとしている。

それは新たな経済圏の創造だ。

Taaki氏は、イスラム国と戦うためにシリアのクルド人が住んでいるシリアの北部・Rojavaで、ビットコインを主要通貨とした経済圏を作り上げようとしているという。

何故、彼がRojavaを選んだかと言うと、この地域はイスラム国の影響下にあり、他国からの経済制裁によって経済的に困窮しているからだ。

一般的に、経済制裁を受けると、他国からお金が流入する機会が劇的に減ってしまう。

そこで、国家や政府という枠組に縛られずに自由に経済活動・金銭授受等を行うことが出来るビットコインが役に立つのだ。

ビットコインがRojavaで使われるようになれば、Rojavaに住んでいる人達は外国からお金を受け取ることが出来るようになり、その地域で新たなビジネスを始めることも出来るようになるだろう。

そのような輝かしい未来は確かに存在するが、現実はそこまで甘くないだろう。

ビットコインには中央銀行のようにお金の流通をコントロールする組織が存在せず、まだ投機の対象とされている事から値段の上下が激しい。

また、テクノロジーに詳しくない人達が暗号通貨を簡単に使いこなせる仕組みも未だ存在しない為、IT化が進んだ日本でも一部の人しか所有していない。

貧困に喘ぐRojavaでビットコインを導入するのは遥か遠い道のりとなるだろう。

そこで彼は既にヨーロッパの各地を周り、暗号通貨に関するカンファレンスでビットコインをRojavaの通貨にする為のビジョンを説いて回っているという。

そうする事で、共感の輪を広げ、彼のプロジェクトを後押ししてくれるスポンサーを募っていくようだ。

過去にダークウェブで違法商品を扱うマーケットを創設したことで彼に対する社会的な信用は低いが、私は個人的にTaaki氏の取り組みには注目していきたい。

彼のプロジェクトがもし成功すれば、ビットコインが社会貢献するユースケースが作られ、より多くの人にビットコインの良さを認知してもらえるからだ。

・・・勿論、そこには暗号通貨が認知される事で価値が上がり、私の保有するコインの価値もあがるという自己中心的な願いもあるのだが(笑)。

だが、多くの人達に知られる事でより一層、ビットコインを始めとするイノベーションが進んで行き、新たな世界を作っていくことが出来ると私は確信している。